最近では、中・上位機の無線機にはアンテナチューナーが内蔵されているもが多く、また外付けの小型のオート・アンテナチューナーも手頃な価格になっていますが、ここでは当シャックにあるマニュアル式のアンテナチューナー「CNW-319」を紹介します。
こちらの「TS-680Vを使い倒す(5) アンテナチューナー接続」でも紹介していますが、良い意味でもう少し詳細に迫ろうと思います。
CAT-300を購入する予定が・・・
再開局時(2010年)にアンテナチューナーの必要性を感じ、(当時は手頃なオート・アンテナチューナーがなく・・・)マニュアル式のコメット社の「CAT-300」を購入するため最寄りのハムショップへ行きました。
ところがCAT-300は売れまくっている模様で、そのショップには在庫がない状況・・・(++)。
取り寄せしてもよかったのですが、一旦帰宅してネットオークションを物色し、私の手元に来たのが、トップの写真のDAIWA(ダイワインダストリ)社の「CNW-319」です。
中古品で、当時としてもかなり古いモデルです。
寸法は、225W×90H×245D(仕様書がないので突起物なしの実測値です)で、FT-991Aとほぼ同じ大きさです。重量は不明・・・軽いです(^^;)。
CNW-319は周波数範囲が7~50MHzで、1.9MHzと3.5MHzに対応していないのが痛いところですが、まあ当時は7MHzが運用できればよかったので特に問題なしといったところでした。
(上位モデルにCNW-319Ⅱがあり、こちらは3.5MHzにも対応しています)
特徴的なクロスメーター
(買い損ねた^^;)CAT-300もそうですが、特徴的なのはクロスしたメーター(クロスメーター)ですね。「FORWARD」(進行側)と「REFLECTED」(反射側)の指針がクロスしており、それぞれの指針が振れた時の交点がSWR値を示すというものです。
直感・・・というか、イメージ的にとても分かりやすいメーターです。
「FORWARD」の指針の振れは電力を表しますので、パワー計としての役割もします。
電源不要!
CNW-319は電源が不要です!
オート・アンテナチューナーだと電源が必須ですが、マニュアル式は電源なしで駆動、これはかなりのアドバンテージがあります。電源不要であるということは電源確保を考慮する必要がなく、またそれだけ壊れにくい(壊れる個所が少ない)ということですね。
このCNW-319はいまだに元気に動作しています。(壊れそうにないです・・・^^)
電源が不要なのでFB!
ただしメーターの照明がないので、暗いところだとメーターが読みにくいという欠点があります。
(ちなみにCAT-300はメーターに照明があり照明用の電源が必要ですが、電源なしでもチューナーとしては動作するという優れものです)
CNW-319の前面
CAT-300などと比べるとデザイン的な古さは否めませんが、ちょっとレトロ感もあって気に入っています(^^;)。ネットで検索すると黒色が多いですが、この色は少数派のようですね。
前面にはバンドを切り替える「BAND」の他に「TR MATCHING」と「ANT MATCHING」のボリューム(後述)があります。その下には電力表示のレンジを切り替える「RANGE」とチューナーのON/OFFを切り替える「TUNER」の各ボタンが配置されています。
またこのアンテナチューナーはアンテナを2系統接続できる(←これ重宝します)ため、アンテナを切り替える「ANTENNA」ボタンが配置されています。
CNW-319の背面
背面には、無線機へ接続するM型の端子が1系統(右側)と、アンテナを接続するM型の端子が2系統(左側)ありますが、更にその左にロングワイヤーアンテナを接続するジャック(赤)とアースを取るための蝶ネジの端子が付いています。
ロングワイヤーアンテナの端子は
使ったことがないなぁ。
写真の背面ラベルにありますよう、M型端子のアンテナの一方とロングワイヤーアンテナのジャック端子は「ANT.1」として共通なので、アンテナの接続端子は3つで2系統ということになります。
またこのラベルには「CROSS NEEDLE」と記載されています。クロスメーターのことですね。正式には「交差指針」といったところでしょうか。
チューニングの方法
実はチューニングの方法の予備知識なく購入し、購入後に「どうやって使うのかな?」という状況になり、手探りで使い方を理解しました。
オート・アンテナチューナーのようにボタン一発!という訳にはいかず、マッチングさせるには多少の慣れと勘が必要で時間もかかります。ここがマニュアル式のデメリットともいえます。
チューニングの方法は大体以下のような感じです。
- 「BAND」で目的のバンドを選択する。
- 「RANGE」で電力のレンジを選択する(10W以下で調整するので20W側でOK)。
- 「ANTENNA」で目的のアンテナを選択する。
(ここまでは順序は関係なし) - 無線機で送信する(6~10W程度・・・かな?)。
- ①送信したまま「TR MATCHING」を調整し「REFLECTED」の値を最低値にする。
- ②同様に「ANT MATCHING」を調整し「REFLECTED」の値を更に下げる。
- 上記の①と②を繰り返して「REFLECTED」の値が最も低くなるようにする。
- 「REFLECTED」の値が最も低い位置がマッチング状態となる。
(つまり反射が最も少なくなった状態ということです)
以前は7MHzのフルサイズのダイポールアンテナ1本しかなかったので、このCNW-319を使ってマッチングさせていろいろなバンドで無理やり運用していました(^^;)。
現在はパワー・SWR計&アンテナ切替器と化している!
現在は2系統のダイポールアンテナを張っており、アンテナチューナーなしでマッチングしていますので、CNW-319でチューニングすることはほとんどなく、基本的には「パワー・SWR計」&「アンテナ切替器」と化しています(^^;)。
そんな使い方ですが、送信するたびに元気よくFORWARDの指針が触れるようすは趣があります。またアンテナのSWR値の状況もすぐに解りますのでとても重宝しています。
いまどきマニュアル式?といった感じもしますが、外付けのアンテナ切替器を購入する際に、金銭的な余裕とスペース的な余裕があるならば、アンテナを2系統接続できるマニュアル式のアンテナチューナーの購入も一つの選択肢として検討の余地はあるかな?と思います。
「アンテナの切り替え」と「チューニング作業」と「パワー・SWR値の監視」が、1台で可能になり、それぞれを単体で用意するよりも、むしろこれ一台の方がコンパクトになるのかも?と思ったりしています。
ただ多くの無線機は、アンテナが2系統接続でき、パワー・SWR計を内蔵し、オート・アンテナチューナーも内蔵していますので、その必要はないかもしれませんが。
ということで、古いマニュアル式のアンテナチューナーの紹介でした。
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