アンテナが目的の周波数で共振しているか?

Matching Check 機材

このブログでは、これまでにアンテナのSWR特性の測定結果を数回にわたり記事にしています。

これまでの記事では、それぞれのアンテナの性能をSWR値で評価していますが、本来はSWR値よりも「目的の周波数で共振しているかどうか」にこだわるべきですね。
今回は、モービルホイップアンテナについて、NanoVNAでそのあたりを確認しました。

その前に、お詫び事項です。

浅学なので間違いがあるかもしれません。(←勉強不足です)
また、測定機器からの読み取り誤差や、校正方法やケーブルの影響を受けて正しい画面表示や数値になっていな可能性もありますので、そのあたりも踏まえてご覧いただければと思います。

アンテナの共振状態

アンテナが共振している状態とは「インピーダンスが純抵抗のみでリアクタンスが0(ゼロ)」の状態ですね。インピーダンス Z は、虚数 j を使って下記の複素数で表されます。

Z = R + j X[Ω] (R : 純抵抗 , X リアクタンス)

リアクタンス X には、誘導性リアクタス XL と容量性リアクタンス XC があり下記で表されますが、ここからアンテナのインピーダンスは周波数 f が影響することが解ります。

X = XL - XC= 2πfL - 1/2πfC (f : 周波数 , L : インダクタンス , C : キャパシタンス)

あっ、これ苦手なやつです・・・。

同軸ケーブルの特性インピーダンスは(多くの場合)50Ωであることから、理想的なアンテナは、R = 50Ω , X = 0Ω ということになりますが、まずは共振させる(X = 0 にする)ことですね。

スミスチャートでリアクタンスの状態を確認する

進行波と反射波の関係を示すSWR値だけではリアクタンスの状態は判りませんが、NanoVNAではスミスチャートと共に、純抵抗やインダクタンス・キャパシタンスの値が表示されますので、これらを元にリアクタンスの状態は確認可能です。
リアクタンス Xの具体的な値が知りたければ、上記の式で計算するか、こちらのサイトでも計算できます。TNX!

以降で、私が普段使っている18MHzのモービルホイップアンテナがどんな状態なのか、確認してみました。このアンテナは18MHzのCWでよく使われる周波数付近でSWR値が最小になるよう調整してあります。

まずは共振周波数を確認!

まずはどの周波数で共振しているか確認しました。
マーカー(▽マーク)の移動がシビアで厳密に X = 0 の位置を測定するのは難しいため X≒0 の位置ですが、18.040MHzというバンド外の周波数で共振していました。
SWR値は 1.2 で、純抵抗 R は 41.6Ω、リアクタンス X は 0Ω となっています。
(微妙に容量性リアクタンス XC が残っていましたがここでは無視しています)

SWR値が最小の位置とは少しずれていますね・・・。次はそこを見てみます。

Reactance Neary Equal 0

SWR値が最小の周波数は?

次にSWR値が最小となるところを見てみました。
マーカーの位置を目視で合わせていますので多少の誤差はあるかもしれませんが、18.080MHzというCWの運用で使われる周波数付近でSWR値は最小となっていました。
共振周波数から 40kHz 程ずれていますね。
SWR値は 1.16 で、純抵抗 R は 44.9Ω ですが、リアクタンス X が 4.998Ω (インダクタンスは44.0nH)となっています。

SWR Neary Equal 1

結論・・・は先送り(^^;)

これらの結果から、いろいろと考察できるところがありますが、何しろ私自身がまだまだ浅学ですので結論は改めて(自分が十分理解してから)にしたいと思います。
ここでは測定結果のみを記事としました。

いずれにしても、アンテナの調整はSWR計だけでなくリアクタンスの状態が分かるアンテナアナライザーなどがあれば、より正確な状況(実態)が分かるということですね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました