前回のこのカテゴリの記事(その2)から随分と日数が経過しました。そろそろ「その3」ということで今回の記事です。(過去の記事はタイトルを少し変更しました)
モールス符号がそこそこ聞き取れるようになったら、CW略符号やラバースタンプQSOのパターンを覚えるなどしてトレーニングを積んでから実戦へ・・・というのが定石でしょうが、「その3」ではいきなり、
まずは交信してみよう!
という内容です・・・。
えっ、CW略符号もよく解っていないのにいきなり交信?
まずはCWで交信することで病みつきになれば(^^)、モチベーションも一気に上がるというものです!(実際の私の経験によるところです)
その前に、下記、お詫び事項です。
今後、このサイトでもこれらを簡単に説明していく予定です。
では、行ってみよう!
ほとんどのCWの交信はショートQSO(599BK)
自分がCWを始めてから驚いたのですが、CWの交信は(良い悪いは別として^^;)、多くがショートQSOであるというのが実情です。
いや、ショートQSOよりも更に短かい「599BK」とも呼ばれる交信が多いですね。
(「599BK」は正式な交信方法ではありませんが、ここでは用語として使います)
599BKに正確な定義はありませんが、簡単に言うと、オペレーター名や自局のQTHは交換せずレポート交換だけする、という交信で、限りなくコンテストのナンバー交換に近い交信スタイルです。
これならば、モールス符号を覚えてすぐにでも交信がしやすいですね。最低限のCW略符号と交信パターンさえ覚えれば、599BKでの交信はそれほど難しいものではないのです。
実際に私はCW略符号やラバースタンプQSOもよく解らない段階で、599BKで交信しました!
599BKの交信パターン
599BKのもっともシンプルで、もうこれ以上省略できないと思われる交信パターンは、当局の経験上からまとめると概ね以下のようになります。
(あくまでの私の経験上のもので、599BKの交信パターンに正解はありませんのでご了承下さい)
ここでは、CQ側のA局(JA1○○○)が移動運用(移動地JCC××××)でCQを出していて、コール側のB局(JA2●●●)がそれにコールするパターンになります。
ここではコール側のB局があなたという想定で見て下さい。
B局 : DE JA2●●●
A局 : JA2●●● UR 599 5NN BK
B局 : R UR 5NN BK
A局 : QSL 73 TU E E
B局 : 73 E E
あなたが送信するのは、太文字(黄色マーカー)の部分だけ!
シンプルですね。
相手局のコールサインを送信する必要がなく、相手局にかかわらず送信する内容は同じです。
ただし実際は、UR 599 の前に「GM」(おはようございます)や、73の前に「GL」(グッドラック)を付けるなど、多くのバリエーションはありますが、必須ではありません。
また「K」は「どうぞ」、「BK」は本来は「ブレーク」の意味ですがショートQSOでは「相手と送受信をチェンジ」というような意味合いで使われます。599BKの「BK」の部分の由来ですね。
訳すとこんな感じです。
JCC××××から(運用しています) どうぞ
B局 : こちらは JA2●●●
A局 : JA2●●● あなたの(シグナル)は 599 5NN
B局 : 了解 あなたの(シグナル)は 5NN
A局 : 確認しました さようなら ありがとう (交信終了)
B局 : さようなら (交信終了)
実際の7MHzのCWのCQを聴いてみよう!
リグのモードをCWに設定し、7.005MHz~7.0150MHz付近をワッチすると、上記のA局のように、
CQ + 自局のコールサイン + 運用地(JCC/JCGコード)
といったパターンのCQが、たくさん聴こえてくると思います。
多くの場合、CQ局のモールス速度は20WPM(100文字/分)程度ですが、実際のCQを聴いて、このパターンのCQだな?と解るようになればしめたものです!自分のモールス符号の聞き取り能力はかなり向上していると思ってよいと思います。
私は実際のCQを聴いて、このパターンのCQであるかどうかが解るようになるまでに結構時間がかかりました。
ちなみに実際のCQでは、更にこの後に「RS1」(道の駅1番)とか、「PK2」(公園2番)といったような、アワードの略号が付く場合もあります。
また「運用地」が付かないパターンのCQもあります。
こういった場合は599BKでなく、ラバースタンプQSOを期待されている場合がありますので、ビギナーの方はもう少し慣れてからコールするのが良いかも知れません(経験談です)。
そして更に交信のようすを観察しコールする
上記のパターンのCQを発見したら、引き続き、そのCQ局へコールする局との交信のようすを観察します!(ここが重要!)ここで599BKかまたはそれに近い交信方法で、次々に交信しているようすが確認できたらロックオン!
戦闘モードに入って(^^;)下さい!
あとは上記のパターンを参考に、更に他局の交信でどのようなやり取りがなされているか観察し、自分の一連の送信内容が頭の中で整理できたら、タイミングをみて思い切ってコール!
CQの送信が終わったタイミングで「DE 自局のコールサイン」と送信してコールします。
ちょっとネガティブですけれど、他局の交信のようすを観察し、まだ解読不可能な交信がなされているようであれば、この段階でのコールは見送った方が良いかも知れませんね。
ただし599BKとはいえ知っておいた方がいいフレーズもあります
599BKとはいえ、特にファーストQSOの場合は、CQ局がこちらのオペレーター名(OP)や運用地(QTH)を求めてこられる場合があります。
CQ局から送られてくる内容に「UR NAME ?」とか「UR QTH ?」といったフレーズがある場合がありますので聴き逃さないようにし、
前者の場合は「MY NAME IS ▲▲▲」または「OP IS ▲▲▲」といったフレーズ、
後者の場合は「HR QTH IS JCC■■■■」といったフレーズを返せるようにしておくと、このような想定外の展開になっても慌てることなく安心です。
時々、CQ局がこれらを求めているのにも関わらず、それを聴き逃し(または理解できず)、「73」を送って終了しまうコール局があります(^^;)。
習うより慣れよう!(継続は力なり)
ここで紹介した方法は、定石からは外れているかも知れませんし、あくまでも私が実践した方法です。バンドによっては自分の送信した電波が日本全国や海外まで飛んでしまうので、失敗しても気にならない人向けの記事です(^^;)。自己責任で!?
個人的には、最初から完璧にできる人はいないので60点でOKという気持ちで、失敗覚悟で交信しましたが、多少はCQ局が困惑するような、申し訳ない場面になることもありました。
ただCWの世界では、初心者歓迎のような雰囲気が何となく感じ取れて、そのあたりは大目に見てくれるOMさんがほとんどだと思っています。
アマチュア業務ですからね・・・。
599BKのコール側だけでも十分楽しめるね。
そして599BKのコール側だけで、移動運用局とかなり交信できました。
現在のコンディションだとちょっと苦労するかもしれませんが、7MHzのCW特記でのWAJAあたりなら早い段階で達成できると思います。
そうしている間にCWでの交信にも慣れ、他局の交信を観察しながら意識的に聴くことで、CWでの交信のいろいろなフレーズが自然に身に付いてきて、状況により、
「TNX FB REPT FM JCC××××」や「TNX FB 1ST QSO CUAGN 73」
といった具合に送信したりできるようになりました。
(まだまだですがね^^;)
これからCWで交信してみようと思われている方、ぜひ挑戦してみて下さい! GL.
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