移動運用で使うTS-680VとFT-991A

TS-680V And FT-991A TS-680V

再開局(2010年)以来、移動運用のほとんどでケンウッドのTS-680Vを使ってきました。まだ健在ですが、昨年末頃からは八重洲無線のFT-991Aを移動運用で積極的に使うようにしてきました。
(一時期、ケンウッドのTS-50を使っていた時期もありますが・・・これもいいリグでした)

長年使ってきたTS-680VからFT-991Aへ変更したことで、いろいろと気づくことがありますので、記事にしておきます。(基本的にはCW運用での気づきですがフォーンでも該当すると思います)

1987年に発売されたTS-680Vと比べ、近年発売のFT-991Aにはそれなりのアドバンテージがあるのは当然。そのあたりを踏まえて読んで下さいね。決して優劣をつけるものではありません。

ここではFT-991Aと記載しているものは10WタイプのFT-991ASを指します。
リグ本体にはFT-991Aとしか表示されていませんので、基本的にはその表示と記載を合わせています。(TS-680Vの方はリグ本体に10Wを表すVまで表示されいます)

外観

まずは外観から。前面からみた写真を載せておきます。上がTS-680V、下がFT-991Aです。個人的にはTS-680Vの色が好きです。最近のモデルでは見かけない色ですね。
(当時だとTS-430シリーズやTS-670シリーズが似た色ですね)

TS-680V Full View
FT-991A Full View

サイズ

個人的には、TS-680VやFT-991Aは、サイズ的に見て、移動運用で持ち出しても何とか取り回しできる限界に近いサイズのリグだと思います。
下記の通りFT-991Aの方が一回り小さいので、少し持ち運びが楽になりました。
(とはいえ、現実的には移動運用には更に小型のリグを使うのが王道かと・・・^^;)

寸法(W × H × D)重量
TS-680V270 × 96 × 2705.7kg
FT-991A(10W機)229 × 80 × 2534.3kg

送信出力

TS-680Vは10Wモデル、そして上にも述べましたが、ここでFT-991Aと記載しているリグは型番がFT-991ASの同じく10Wモデルです。こだわりの10W機です。

いずれも10W送信なので送信出力は変わりませんが、消費電流に差があるようで・・・(後述)。

周辺機器の必要性

FT-991AはエレキーとATU(アンテナチューナー)を内蔵、SWR値も本体メーターで表示可能です。近年のリグなので当然といえば当然ですね。FT-991Aに変更したことで、外付けエレキーやATUなどの持ち出しが不要となり身軽になりました。このメリットは大きいです。

一方のTS-680Vはいずれも搭載していませんので、外付けのエレキーやATU、更には外付けのSWR計を別途用意する必要があり持ち出す機材が多くなります。これがなかなかのネックでした。

持ち出しする機材全体で、体積比1/3位になりました。

操作性

機能が多いため、移動先でいざという時に操作や設定が解らず戸惑う・・・。これがFT-991Aを移動運用で使い始めて最初の感想です。
単純なNB(ノイズブランカー)のONの設定さえもちょっと戸惑ってしまいました。単に普段から使いこなせていないだけなのですが、こういったところに時間を費やしてしまっては折角の交信の時間を削ることになってしまいます。

一方のTS-680Vは1ボタン1機能で操作は単純、戸惑うことはまずありません。慣れの問題ではなく戸惑いようがないという感じです。これはもう快適の一言に尽きます。

ただこれについては、機能数との兼ね合いで評価すべきものですので、「機能が少ない=単純操作」ということが成り立っていると思います。FT-991Aは慣れの問題も大きいです。

TS-680V Panel
FT-991A Panel

スペクトラムスコープ

純粋にFT-991Aのスペクトラスコープはとても便利です。特に移動運用ではこのスコープの波形でコンディションの良し悪しを目安として確認することに重宝しています。

一方では、VFOをくるくる回してバンド内をサーチ(これが結構楽しい)することでバンド内の状況は分かりますので、私の移動運用での運用形態ではスペクトラムスコープは、必ずしも装備されていなくても問題なしです。

消費電流と電圧低下の影響

消費電流は、カタログスペック上では以下の通りです。測定の条件が異なるのかも知れませんが、FT-991Aの送信時の電流消費がTS-680Vの倍以上ですね。

受信(無音声時)送信(最大)
TS-680V1.5A4.5A
FT-991A(10W機)1.8A10A

実際に使った感じでも、同じ10Wでの運用ではFT-991Aの方が運用できる時間が短いです。
TS-680Vは半日くらいの移動運用で電源が落ちることはなかったですが、FT-991Aは電源が落ちてしまうことが何度もありました。(20Ahバッテリー使用)

また単にバッテリーの消費量だけでなく、最低動作電圧がTS-680Vの方が低いのかも知れませんね。この辺りは更なる検証が必要です。

CWメモリー

CWメモリーを搭載しないTS-680VではCQを含めすべて手打ちでしたが、FT-991AはCQはCWメモリーに記憶させてボタン一つで自動送信が可能となりました。
運用中に手の空く時間が増え、ログの記載修正などがゆっくりと余裕でできるようになりました。快適です!

ただ、個人的にはすべて手打ちでも一向に気になりません。これまで手打ちが面倒だと思ったことはなく、むしろ打つことが楽しいと思うタイプです(^^;)。

電鍵を打つのは楽しいですね。

受信音(CW)

アナログ処理とデジタル処理の違いでしょうか、TS-680Vの方が、CWの受信音が際立っているというか、はっきりしているというか、そんな印象です。言葉では表現が難しいですが。
CWフィルタについていえば、TS-680Vがクリスタルフィルタ、FT-991AがIF段のデジタルフィルタという違いがあります。これも影響しているかもしれませんね。

ちなみにいつもイヤホンで受信し、両者で同じイヤホンを使っていますので、本体のスピーカーの違いではなく回路(処理)の違いかと・・・。

受信性能

こればっかりは、並べて比較していませんので何とも言えません。
ただ機能的な面でいうと、FT-991Aの方はデジタル処理で聴きやす音に調整が可能ですので、受信状況によっては非常に有利ですね。

一例を挙げると、FT-991AはDNR(デジタルノイズリダクション)をONにするとジャミングなどがきれいに除去されます。この辺りはTS-680Vではできない芸当で太刀打ちできません。
さすがのデジタル処理!という感じです。

本体の発熱

これも並べての比較はしていませんが、TS-680Vの方が本体の発熱が少ない感じです。本体のサイズが影響しているかもしれません。
FT-991Aは運用後に片付ける時に本体が熱いという印象を持ちましたが、TS-680Vで熱いと感じたことは記憶がないですね。

144/430MHzの対応

個人的には現時点ではHFでの移動運用しかしていないのですが、FT-991Aは144/430MHzも搭載しているのは心強いです。いざとなればこれらのバンドも運用できますね。

この差は大きいと思います。

CWはもちろんのこと、144/430MHzは比較的運用人口が多いFMモードも使えますので更に期待は膨らみます。これらの2バンド対応のモービルホイップも持ち歩くようになりました。
(まだ運用は実現していませんが^^;)

その他

本筋ではないですが、FT-991Aは電鍵の接続端子(ジャック)が本体の前面にあるので、移動運用の際に電鍵接続のために本体裏側へ手を回す費用がなくFBです!

しかも3.5mm径なのでGM702と見事にマッチ!でした。

結論

という訳で、TS-680VからFT-991Aへ変更したことで気づいたことを書いてきましたが、固定局で使うならばFT-991Aのような近年のデジタル処理の多機能なリグということになると思いますが、移動運用ではシンプルなTS-680Vが意外と使いやすい・・・というのが率直な感想です。

ただしこれは移動運用での運用形態によります。移動運用先でコンテストなどに参加される場合は評価ポイントは全く異なってくると思います。

あともう一点、既に発売から30年以上を経たTS-680Vが、過酷な使用状況に耐え、いまだに故障せずに動作することはある意味驚いています。とても堅牢ですね。
これからはTS-680Vは、主に固定局のQRP機として活躍してもらう予定です。

先般、「QPR Sprint コンテスト」で活躍しました(^^)。

最終的な結論としては、好きなリグを使って下さい・・・というオチになりますが、古いリグも趣があっていいと思っています。

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