FT-991AでNAVTEXを受信

KG-NAVTEX Main FT-991A

前回の記事でFT-991Aで気象FAX放送を受信したと書きましたが、今回は「NAVTEX」の受信についてです。肝心のFT-991Aのレビューはさておき、受信ばかりしています(^^;)。

NAVTEX」(ナブテックス)は「Navigation Telex」の略で、簡単にいえば海上安全のための情報を放送しこれを船舶で受信するシステムですが、ネットで検索すればいろいろな情報が出てくると思いますので、詳しい説明はここでは省略します。
ウィキペディアでの解説はこちらです。ここが解りやすいかも知れませんね。

NAVTEXをFT-991Aで受信

NAVTEXはワールドワイドで放送されているようですが、ここでは日本のNAVTEX放送局からの電波を受信することにしました。周波数は中波帯の 424kHz / 518kHz (前者が和文で後者が英文)が使われ、電波の型式はF1Bとなっています。
総務省のページを見ると、F1Bは「(主搬送波SSB)モールス符号以外の電信(RTTY等)」とあります。この周波数を無線機側でCWで受信します。
以下のような設定になります。

モード : CW
受信周波数 : 424kHz(和文)/ 518kHz(英文)
NAVTEX J Reception
NAVTEX E Reception

まずは無線機で放送を受信してみました。無線機のモードをCWに設定し、周波数を合わせましたが何も入感しない状況・・・。
それもそのはず、放送時間帯ではなかったことと、それよりも大きな理由は、この受信は日中に行ったのですが、中波帯なので送信所から遠い当地では日中は電波が飛んでこないのです。

放送局に近いところなら地表波で受信できるのでしょうが、私のところではおそらく日中に聴こえることはなく、中波帯の夜間の伝搬にならないと聴こえないのでしょうね。

NAVTEXの放送スケジュール

NAVTEXの放送は、以下のような感じで、時間を区切って送信所が変わりながら順次送信されるようですので、放送しているタイミングで受信しなければなりません。
送信所によって受信強度が異なるかもしれませんね。

周波数言語時刻スケジュール(送信所)
424kHz和文01 , 05 , 09 , 13 , 17 , 21
00(那覇), 17(門司), 34(横浜), 51(小樽), 08(釧路)
518kHz 英文02 , 06 , 10 , 14 , 18 , 22
00(那覇), 10(門司), 20(横浜), 30(小樽), 40(釧路)

KG-NAVTEXをパソコンにインストール

NAVTEXで放送されてくる電波を受信して文字にするにはソフトウェアが必要です。
受信するソフトウェアは、有名な「KG-NAVTEX」をこちらからダウンロードして利用しました。開発者の方には感謝です!

ダウンロードした圧縮ファイルを解凍し、解凍されたフォルダごと任意の場所へコピーして実行ファイルを起動するだけです。

KG-NAVTEX

既に無線機とパソコンが接続されてRTTYの受信の設定も終わっていたためか、KG-NAVTEXを起動したらすぐに信号が取り込まれ、ウィンドウの右上のスコープが動作しました。

FT-991Aから受信信号が取り込まれない場合は、「FT-991AのRTTYの設定(受信編)」のページの 「仮想COMポートの設定」を参照下さい。

中心周波数の設定(KG-NAVTEX)

KG-NAVTEXで正しく文字を表示するために中心周波数」は必ず確認し、正しく設定しておく必要があります。

実はここでハマってしまい、なかなか正しく文字が表示されませんでした。

KG-NAVTEXの画面の左上の「設定」ボタンをクリックして設定を開き、「デコーダー設定」の「中心周波数」を、無線機側のCWのピッチ周波数と同じ値にしておく必要があります。

KG-NAVTEX Setting

私はCWのピッチ周波数を600Hzに設定していますので、「中心周波数」の設定も600Hzにしました。

KG-NAVTEXで放送を受信

放送スケジュールを見ると、和文・英文共に19:00~21:00の時間帯は放送がないようです。このゴールデンタイムに受信しようと目論んでいましたが、21:00まで待たなくてはなりません。

そしてうっかり21:00からの放送にちょっと時間が間に合わず、424kHz(和文)で21:34の横浜からの放送を受信することができました。KG-NAVTEXを起動したらすぐに信号が取り込まれ、ウィンドウの右上のスペクトル画面の波形の2つの山がグレーのラインに一致しました。
(前述の中心周波数の設定が正しくないと、この2つの山がグレーのラインに一致しません)

無線機ではまったくシグナルは振っていないほど弱い電波でしたが、受信信号がパソコンに取り込まれるときちんとデコードされているようで、画面上には問題なく文字が表示されました。

NAVTEX Decode

受信完了

ここでは画面上の文字はぼかしてありますが、横浜からの放送はほぼ文字化けなく表示されました。受信しながらリアルタイムに文字が流れていく様子はRTTYを連想させ、インターネットが発達した現在においては、なんとも新鮮に思えます。

JMHの受信と同じで、あえて中波帯のNAVTEX放送を受信してリアルタイムに表示させるところに趣があってよいですね。
興味のある方は、ぜひ受信してみて下さい。

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