前回の「ダイポールアンテナのSWRをチェック」の記事で「モービルホイップなどの短縮型のアンテナは、同調する周波数(注)の幅がとても狭いので、移動運用の時は神経を使っています。」と書いていますが、ちょっと気になったので、実際に18MHzのフルサイズのダイポールアンテナとモービルホイップについて、SWRの実用範囲はどうなのかな?を確認しました。
(以降、単に「ダイポール」「ホイップ」と表現します)
(注) 訂正!
正確には「同調する周波数」ではなくて、「実用範囲となる周波数」
というのが正しい表現ですね。
どこまでを実用範囲とするかは測定者次第です。
ダイポールは自作、ホイップは第一電波工業の「HF16FX」を使っての確認です。
賛否両論あるかもしれませんが、ここではSWRが2.0以下ならば実用範囲であるという評価としました。(実際に2.0が実用範囲かどうかは、測定者の判断かと思いますが^^;)
それぞれの実用範囲(SWRが2.0以下)を確認
結果は以下のようになりました。
- ダイポール 実用範囲 16.60MHz~19.68MHz (実用範囲幅 3,080kHz)
- ホイップ 実用範囲 17.89MHz~18.27MHz (実用範囲幅 380kHz)
測定時の写真を掲載します(写真でSWRが2.01になっていたりしますが、そのあたりは愛嬌ということで、多少の誤差はお許しを・・・)
横軸のレンジが異なるので、ちょっとイメージが湧きにくいのですが、ダイポールはホイップの8倍ほどの実用範囲幅がありました。
横軸の周波数レンジを一定にしたSWR特性の比較
次に横軸のレンジを一定(同じ)にしてイメージが湧きやすくしました。
ここでは、14MHz~21MHzに設定しました。深い意味はありませんが。
同様に測定時の写真を掲載しますが、この波形を見るとホイップの実用範囲幅が狭いことがイメージ付きやすいと思います。
ダイポールの方はエレメントを複数取り付けた 7 / 18 / 21MHzの3バンド対応のため、21MHz付近でもSWRが下がっていることが確認できます。
更に3バンド対応なので複雑な同調をしていることも一因かもしれませんが、同調させていない14MHzでもSWR4.5程度に収まっています。
一方のホイップは、14MHzは測定範囲外ですね。
結論
結果的には、ホイップでもバンド内のどこかの周波数に同調させれば、18MHzのバンド内全域で実用範囲になる・・・ただしダイポールと比べると実用範囲は狭い、という結論です。
(第一電波工業の「HF16FX」を使い、実用範囲をSWR2.0以下とした場合です)
ただこの「バンド内のどこかの周波数に同調させる」のが比較的シビアな作業で、ミリ単位での微妙なエレメント長の調整が必要になる場合があると思います。
自分で書いておきながら自爆(^^;)していますが、少なくとも18MHzのホイップでは、SWR2.0までを実用範囲とするならば、調整に神経を使うということはないです。
ただSWRを限りなく1.0に近づけようとすると結構シビアな調整が必要ですね。
またバンド(波長)によっても異なると思います。
18MHzではなく7MHzでの同様の比較も必要ですね。(時間があればいずれ・・・)
コメント